猿島野まるごと博物館

このベースになったエコミュージアムとは、今から三十年程前にフランスの地方文化復興、中央集権排除の運動の中で提唱された全く新しい理念に基づく住民主導型の「生活と環境博物館」であり、永久に行うことの出来る文化機構という定義をもちます。これまでの博物館が、沢山のお金をかける割には現在の住民の生活に直結もせず、活用もされないという反省の上にたってこの「エコミュージアムまるごと博物館」は生まれたそうです。そこで、この博物館は別名創造的野外博物館とも言い、建物の中だけに限定せず、自然や社会環境をも含んで過去から現在そして未来へという視点にたって現地において保存、育成されて見るだけでなく、参加し体験するという特徴を有します。

この理念に共鳴し、たとえ実現しなくてもそれに向かって歩いていくことだけはできると思い、沢山の仲間が手を差し伸べてくれ、力が結集されて町まるごと博物館は形になりました。そして次のようなマップも出来あがりました。このマップは今では町の郷土館ミューズに置かれ、町まるごと博物館は「町全体を博物館としてとらえ、建物はその拠点とする」という町で定めた基本理念のとおりになり、公認の存在になったのです。この事実は、たった一人の胸に湧いた思いであっても、それが透明な意思であれば、実現するしないにかかわらず、それにむかって歩く自由だけはあるのだから、誰であってもやったほうがよいし、やるべきだということを、刻み付けてくれました。

この「猿島野まるごと博物館」めぐりは、平成9年から始まり、炭焼きと並んで、会の年中行事としてすっかり定着しました。関心のある人は、坂東市「ミューズ」の博物館にこのマップが置いてありますので、いつでも訪れてください。約束事もマップにのっています。

また、旧猿島町は、平成十三年度から「住民参加型の総合計画」の実施期間に入りました。会ではその総合計画の中に、当時の「猿島町まるごと博物館」を位置付け、町造りの一環として、住民と行政が一体となって、それを整備、拡充していくことを働きかけたこともあります。