日本中をきれいにするのも、汚くして次の世代に渡すのも、私達住民の参加、不参加にかかっています。

 

生ゴミぼかしの無料配布

旧猿島町は(合併後坂東市となった)、町長さんを始め職員の人達の環境意識が高く、私達の会と共鳴する所が多くありました。平成八年度に茨城県で最初に「住民参加型の環境基本計画」を作成し、その住民参加という先進性の真価を確信できた私たちの会は、その基本計画に則って、ごみの減量化、資源化又ダイオキシン対策として、又、経済的にも安価なEM技術による生ゴミリサイクルを提言しました。採用され、一年半のモニター期間を経て、平成九年から町では生ゴミ発酵処理用のEMぼかしを無料配布するようになりました。この無料配布が長期に継続することを願い、その三年目の時、何度も応募してようやく手に入れた助成金十万円で、EMぼかしを大量に製造しやすい攪拌機を会として町に寄贈しました。合併直前までの9年間、このEMぼかしの無料配布制度は続きました。その間当然の事ながら、生ゴミの入る可燃ゴミの焼却代が、周辺の自治体の中で最も低く、或る年の一人当たりのゴミの搬出料が県内で最も少なかったと、職員から聞き及びました。

 

リサイクルセンターと市民農園

一方、この「住民参加型の環境基本計画」を実現するシンボルとして約四ヘクタールのリサイクルセンターもできあがりました。

その道沿いには、かつて熱心な役場の職員と私達の会員により建てられた東屋風のお休み所があります。

このリサイクルセンターは、私たちの会が推進している「エコミュージアム」「生活と環境博物館」である「町まるごと博物館」の重要な一つでもあります。平成十三年度には、本格的な粗大ゴミ置き場、リサイクル品の修繕室、展示室、農業用ビニール置き場等の施設が整備されました。猿島町と私達の会との恊働関係は、ここでも遺憾なく発揮され、ゴミの有効活用として、リサイクル品の無料配布も合併直前まで実施されました。隣接する眺望のよいスペースも、市民農園として活用する事が住民参加の一つの良い事例になるのではと考え、要望書を出して働きかけた結果、二年後の平成十五年度に実現しました。

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東屋やトイレ、管理棟もあり、町の住民参加に対する誠実な姿勢を感じました。私達の会はそれを悦び、市民農園の駐車場に、又ようやく当てた助成金を充てて、市民農園の成長を願って、二本のメタセコイヤの樹とイチョウの樹を贈りました。現在、素晴らしい大木に成長してくれています。

 

EM活性液による排水対策モニター事業/米のとぎ汁流さない運動

NPO法人を取得した平成十二年からは、ユニセフへの支援とEM技術の普及を二大柱に掲げました。これまでの会の活動が評価され、町の助成を受けることができ、EM菌を確実に大量に培養できる「百倍利器」を購入しました。その機器で造られたEM活性液による排水対策モニター事業を、平成十三年度から町の委託を受けて開始しました。町の特に汚い排水路二カ所で五十五名のモニターさんに毎月三リットルの活性液を配布して、家庭から流してもらうという内容でした。平成十四年度もこの事業は続きましたが、二年をもって終わりました。

過去2年の経験を活かし、平成十五年度から新しい形で再スタートさせたのが「米のとぎ汁流さない運動」です。家庭排水の汚染源が米のとぎ汁であることをモニターさんにまず説明し、EM活性液をただ流すのではなく、米のとぎ汁をEMで発酵してもらったのです。その発酵液を作って流すことにより、汚染源が浄化源に変わり、さらに健康や生活改善にも役立てることができるからです。皆が住民参加することにより、安価で、土、水、空気、健康全てが好転して行きます。この運動は10年以上続いています。

 

EMによる学校のプール浄化活動

会の方針として、水が最も重要であるという観点から、排水浄化活動に力を入れたその一つが学校のプール浄化活動です。水の浄化が促進され、校庭の散水に使われたり、プール清掃が簡便で水の節約にもなり、その水が更に排水浄化につながっていきます。一時期周辺の学校を周って説明し、やらせて頂き好評でした。

 

農業創造プロジェクト

猿島町と岩井市が合併し、坂東市になってから三年後、市が住民に五つのプロジェクト作成に参加するよう呼びかけがあり、その一つが「農業創造プロジェクト」でした。私達の会はそれに関心を持ち、有志4名で参加する事を決めました。月に二回、夜の二時間位の話し合いが、役場の有志の職員も加わって半年間続きました。この住民参加がきっかけで私達の会は、国が推奨する「バイオマス活用推進計画」の存在を知り、坂東市がそれを実施してくれるよう長い働きかけが始まりました。