エコショップ事業の始まり

平成六年八月三十一日(ヤサイ記念日)、それはもったいない精神と働く張り合いを求める気持ちから発想しました。当時「ユニセフエコショップ」と私が勝手に名前を付け、夫が廃材で作ってくれた細長いテーブル一台から産声をあげました。農場の郵便受けを失敬し、それに鍵をつけてお金入れにしました。設備投資したのはその鍵だけでした。ユニセフ卵(製品外の卵)や季節の野菜を袋に入れてテーブルに並べ、下には鶏糞の袋を並べてどれも一袋百円と書いて無人のお店でスタートしました。お店屋さんごっこをしているようで、童心にかえった楽しい日々でした。

ところが三ヶ月目に入って、泥棒さんにお金入れの鍵をこわされ、お金をとられてしまいました。仕様がなく今度は自分の目の届く所にお店を動かしました。そうしたら今度は通りから引っ込んだためにお客さんの目に入らず売れなくなってしまいました。

そこで私はやり方を変えました。卵は固定客を、そして鶏糞も大量に買ってくれるところを探す。野菜はお客さんが直接畑から欲しいものを欲しいだけ採って買う。この方法は功を奏し、反って手間を掛からず売上も上がるようになりました。「禍転じて福となす」です。

それから徐々にショップの品目も増えていきました。形としては写真のように木柵に木札が下がっていて、売っている品物は表側にその時無い品物は裏返しにしておきました。

この活動は、身辺の余剰の物、不要の物などからお金を生み出し、もっとも必要な所で役立ててもらう、それによって自分の生活もシンプルになり、社会に貢献できているという悦びや働く張り合いが与えられるという循環の理念の賜物だと感謝し、6年ほど続きました。個人的にやってきたこのユニセフエコショップは、猿島野の大地を考える会がNPO法人を取得した際、会の事業として位置づけられました。その後、一層会員の協力が強くなり、会員相互の結びつきも深くなっていきました。

「もったいない・ピース・エコ・ショップ」事業へと発展

具体的に世界平和を体現しているペシャワール会と環境問題を根本的解決出来る光合成細菌を始めとする有用微生物を知ってからは、ショップの寄付先をユニセフから切り替えることになり、名称を「ピース・エコ・ショップ」に変更しました。また、この事業の動機は、もったいない精神から始まったので、その精神が現在や未来の日本を救ってくれると信じて、最終的には「もったいない・ピース・エコ・ショップ」と更に名称を改めました。そして誕生から二十年目にして、もったいない廃材や廃物を多いに活用し、「もったいない・ピース・エコ・ショップ」をこのように形にしました。

皆様の暖かいご支援により、平成26年までで、ユニセフ(国連児童基金)に954万4000円、ペシャワール会(中村哲医師を中心に、パキスタン、アフガニスタンで医療、井戸掘り、用水路建設により緑の大地計画を実現して、現在はその用水路を維持、補修していく人々の自立定着村を砂漠の中に建設中のNGO組織)に1576万7200円、日本赤十字に80万円、福島県の南相馬市に161万5000円、総額2772万6000円を送る事ができました。人命に直結する貴重なお金です。本当に感謝しています。
 

 ショップの商品

最初は、余剰卵、鶏糞、余剰野菜といった顔ぶれでしたが、EM(有用微生物群)関連製品、EM手造り液体石鹸、竹酢液、自著の本、もったいない物、光合成細菌、そして卵油などと品目が増えています。卵油に関しては、私達も自ら試した結果、体で効果を実感しました。特に、心臓に関して御心配の方には、予防の意味で常飲して頂ければご安心です。詳しくはネットショップをご覧ください。(リンクアドレス:http://peaceecoshop.cart.fc2.com/)

 

上の写真はゴルフ場でショップ活動を行っている様子です。売り上げが低迷していた8年ほど前、「ゴルフ場でやらせてもらえば?」という会員さんの一言が、その後の運命を決定づけてくれました。思い切ってゴルフ場さんに頼み、それ以前からゴルフ場さんの厨房でEM活性液を活用してくれたり協力関係にあったので、私達の会の頼みも快諾して下さりました。次の日からはこのようにゴルフ場の玄関先で即席のショップ開店へと繋がりました。でもまさかこんなに長く続くとは想っても見ませんでした。お陰で、売り上げも回復し、順調に命の支援を続けてこられました。

  今後の目標

「もったいない・ピース・エコ・ショップ」は、寄付頂いたもったいない物や根本的な環境問題を解決するEMや光合成細菌等のエコ製品を販売して、その収益金でピースを支援するショップという意味で、これまでに類のない全てを包括しているショップです。数人のお仲間とやって来たこの20年間、元気、安心、希望をもらい、その上に世界平和に関与している悦びや仲間との絆を感じられた素晴らしい歳月でした。この実感を通して、この名称と仕組みを持ったショップが、全国各地に出来て草の根で広がれば、自然にもったいないの種がまかれ、次世代へのメッセージになると考えています。このショップを一号店に、形はどうあれ、全国各地に名称と仕組みが同様なお店が出来れば、日本を草の根的に元気にしてくれる国民運動になるのではないかと考えるようになりました。このようなアイディアを持つようになったのは、店番をしながらできた読書のおかげでした。この事実は、だれでも魂の次元でやっていけば、全ては有機的につながっていくという事を教えてくれました。

賢治の言葉にあります「永久の未完成これ完成である」。私の夢は、正に永久の未完成の領域に入るかもしれません。でもそれが、実現する可能性があるとしたら、それは完全に破綻のない形であり、世界のどこでも通用するイーハトーヴ(理想郷)の一部を構成する要素にはなりえると考えます。調べると、このショップのアイディアにも前例、好例があります。1948年、イギリスでオックスファムというチャリティーショップが一店生まれ、それが現在ではイギリスとアイルランドに一万店近くあるという事を毎日ウィークリーという英字新聞から知ったのです。私達の会も二十年目にしてショップを形にした時を境に、このチャリティーショップの販売品目(衣類、本、家具、陶器等)も取り入れる事にしました。

もったいない精神をお持ちで且つ社会貢献と生き甲斐を望んでおられる方達が数人集まれば、このショップはどこでも可能です。どんな場所でもどんな時間でも自由で、販売する品目ももったいない物やエコ的な物であれば何でも可能なのです。是非お試しください。