人間って何だろう 
自分って何だろう 
時という風は 
眼には見えない オルゴール 
みんな そのオルゴール 
それぞれに奏でるよ 
光と風の セレナーデ、 
光と風の セレナーデ 
水は 流れ、 
時は 流れ 
形あるもの 
時の間に間に たゆとう 
太陽の恵みを 大地受け 
しっかりと 
生きとし 生けるのさ 
人間だって 生きてる時間を 
選べない、選べない 
たまたま そこで 
命 燃やすだけ 
明日が、明日が 
始まりかもしれない

人間って何だろう 
自分って何だろう 
たんぽぽの綿毛が 
風に吹かれて 舞い降りた 
そこが そのたんぽぽの 
一生の生息の場 
たんぽぽは 選べない、 
たんぽぽは 選べない 
そこで 根を張り、 
そこで 根を張り 
ぎざぎざの葉で 
自分の場を陣取る 
太陽の方に さとく向き 
真っ黄色に たんぽぽらしく 
咲こうとしてるのさ 
人間だって 生まれる所を 
選べない、選べない 
たまたま そこに 
生を受けただけ 
あなたが、あなたが 
わたしだったかもしれない

 

人間とは、自分とは、この古今東西にわたっての、根本的、普遍的な命題中の命題を誰も正面きって語ろうとしない。まるで暗黙のタブーであるかのように。しかし本当のところは、それこそが全ての始まりであるのに。

今年の統計によると、自殺者が戦後最高とか。不況のせいとだけ、かたずけられるだろうか。この命題を先送りにして、本末転倒して生きてしまった悲劇といえないだろうか。

私も、娘との関係のあり方から、生き詰まり、極限状況に立たされた時、自分のそれまでの生き方を問われた。幸いにも私は、宮澤賢治の人間定義の中に心底納得する光を見い出し、生き直す決意で「私の宮澤賢治」という本を著すに至った。

その後ずっと、賢治の哲学を試行し、検証してきた。 今その真正性を、自分が全存在をもって充足していることで 実感している。

「人間とは」「生きるとは」この答えを基盤に、真に生き生きと心安らけく仲良く生きていける哲学が今の時代一番希求されている。

その人類の悲願を総括し、包み込んでくれる温かさと大きさを賢治の哲学はもっていると信じ、伝えておきたい、伝えておかなければという一途な思いから、二冊目の本「私の宮澤賢治かん」を書いた。生き方の一助にしてもらえたら有り難いです。本のお問い合わせは、0280-88-7670にお電話下さい。